クリッパーズシーズン総括18-19 part2
前回に引き続きロサンゼルス・クリッパーズの2018-19シーズンの総括をしていきます。私は2012-13シーズンのグリズリーズとのプレーオフから本格的にNBAを観始めたのですが、今年ほどドラマ性があってわくわくさせられるシーズンはありませんでした。そんなシーズンを私の記憶をたどりつつ、おさらいできたらと思います。
【10月】最強クリッパーズ爆誕??
プレシーズン戦績:5-0 月間戦績:4-3 シーズン戦績:4-3
月別MVP Tobias Harris
待ちに待ったプレシーズンが始まりました。去年までのシーズンと異なり、クリッパーズの顔であったビッグスリーは全員不在。誰をどう応援すれば良いか分からないままシーズンを迎えました。しかし我々の心配が杞憂であったことを証明した、エースのトバイアス。8年目のキャリアにして3チームからトレードをされたジャーニーマンで、そろそろ安住の地を見つけたい彼にとってエース不在のクリッパーズは非常に適した環境でした。ミドル、スリー、フローターと多彩な得点パターンで平均20点以上の成績を残します。ハリスとガリナリを中心としたチームは、なんとプレシーズンを5戦全勝。幸先の良いスタートを切りました。
シーズンが始まるにあたり、ロスターの整理に迫られました。個人的にはどうしてもディフェンスの穴になってしまうテオドシッチがカットされると思いましたが、切られてしまったのは2年目のガード、ジャワンエバンスでした。エバンスはクリスポールを彷彿とさせる堅実なゲームメイクが持ち味でした。(彼自身憧れのプレイヤーはポールのよう)ガードの飽和状態の煽りを受けて解雇されてしまいました。彼は現在サンダーと契約をしています。今後もしぶとくNBAに残ってほしいものです。仲の良いソーンウェルのインスタグラムにたびたび登場しており、少し嬉しい笑
そしてロスターの中で最も長くクリッパーズに在籍していたウェスリージョンソンもアレクシスアジンサとのトレードでペリカンズに放出されました(アジンサは解雇)。もともとドラフト4位指名のプレイヤーでしたが、NBAでは鳴かず飛ばず。クリッパーズ時代はエンドラインからのパスを2回立て続けに相手に取られてしまったり、ハーデンにとんでもないアンクルブレイクをされてしまうなど不名誉なシーンばかり浮かんでしまいます。ですが手の長さを活かしたディフェンスは効果的で、ペリカンズでもしっかりプレータイムはもらえていましたね。
さて、整理後の開幕ロスターは以下のようになりました。
PG:ビバリー シェイ テオドシッチ ウォーレス
SG:ブラッドリー ルー ロビンソン
SF:ガリナリ バームーテ ソーンウェル
PF:ハリス スコット モトレー(2way)
C:ゴータット ハレル ボバン デルガド(2way)
開幕戦であったナゲッツ戦は惜敗したものの、開幕からハリスとガリナリのフォワード陣が奮闘。特に10月はポール、ハーデン、メロのビッグ3を結成した優勝候補のロケッツと2戦を戦いましたが、両試合ともに勝利。
古巣との対戦に燃えるハレルの活躍が印象的でしたね。特に28日のアウェイゲームではキャリアハイ30点(27分)と大爆発。ルーとハレルのコンビは今でこそ当然の認知度ですが、二人合わせて50点など昨シーズンまではほとんどありませんでしたから、息が合ってきたということでしょうか。チームはこの月強豪と当たりながらも4-3と健闘。今年もPO戦線に混じることが出来るかもと期待ができる滑り出しでした。
【11月】まさかの首位 しかし魅せた明智光秀ばりの三日天下
月間戦績:11-3 シーズン戦績:15-6
月別MVP Tobias Harris
11月はトバイアスに率いられたクリッパーズがまさかの大躍進。バックス、ウォリアーズなどの強豪に勝利するなど月間成績をなんと78%で乗り切ります。11月24日には西の首位に立ち、リーグを驚かせました。NBA公式のパワーランキングで一位になるなど、ファンとして誇らしい戦績を残してくれたのです。しかし12月には負けがこみ、ウェスタンカンファレンス8位まで転落したため、束の間の王者気分となりました。
印象に残っているのはバックス戦のオーバータイムで決勝点を決めたルーウィリアムズ。難易度の非常に高い、流れながらのスクープショットを沈め、総合勝率一位だったバックスに競り勝ちました。ルーがいれば接戦に持ち込んで勝てるという安心感が生まれました。続くウォリアーズ戦やスパーズ戦でもルーは持ち前の勝負強さを証明してくれました。その一方でクラッチタイムの弱さを露呈したのがトバイアスハリス。リズムでシュートを決める選手のため、クラッチタイムのマークの厳しい時間帯では活躍が限られてしまいました。マブズ戦でデニススミスにショットをブロックされたシーンはショックでした。しかし、彼はまだ26歳。伸びしろがまだまだあるということですね。
一方期待のルーキー、シェイ君。負傷離脱したエイブリーブラッドリーの代わりに先発に起用され、マルチな活躍をします。8日のブレイザーズ戦ではキャリアハイとなる19得点と大活躍し、多くのクリッパーズファンに希望を抱かせました。ブラッドリーが戻った後も先発として出場し、何と今季は負傷離脱0回!怪我への耐性もあり、近年怪我に悩まされ続けたクリッパーズとしてはとても嬉しいことですね。
マイクスコットのスリーは効果的でした。ルーとハレルのツーメンゲームが主体となっていたベンチでしたが、視野の広いルーがコーナーのスコットにさばいてスリーを沈めるといったシーンは多くみられました。古巣対決となったホークス戦ではトレーヤングに苦しめられながらも、スコットは6本のスリーを沈め18得点と大活躍。しかしシーズン半ばになると彼のスリー確率は低迷。序盤の活躍が思い出されます。
【12月、1月】低迷するクリッパーズ
1月
月間成績:6-9 シーズン成績:21-15
2月
月間成績:7-9 シーズン成績:28-24
月別MVP Lou Williams
12月はゾーンを敷いたヒートにホームに惨敗、そしてラプターズにも惨敗と、ようやく舞い上がっていたクリッパーズにとって落ち着いた月になりました。(落ち着きすぎた笑)特にルーが怪我で離脱していた4試合は全敗と、オフェンスの停滞が目に付くようになりました。今シーズンを通してチームはルーの存在、そして出来に左右されていたといっても過言ではないでしょう。彼の出場した12月の試合は6勝5敗で、まだ見られる試合を展開することが出来ました。
低迷の理由にスタメンの効率の悪さがありました。ブラッドリーはディフェンスこそ一級品の活躍を見せていましたが平均得点8点3リバウンド2アシストFG%38%というオフェンス効率の悪さで、93というオフェンスレーティングはリーグワースト5位に入る悪さでした。ゴータットは加齢による衰えでプレータイムをあまりもらえず。スクリーンアシストが彼の持ち味でしたがウォールのような積極的なドライブをするプレイヤーが少なく、それさえも発揮できていない状態。チームとして課題だった被オフェンスリバウンド数は、彼が出場時間を確保できなかったことでサイズの小さいハレルの出場が長くなったことが一因であると考えられます。
1月後半になるとそれまでほとんど出番のなかったタケシことジェロームロビンソンの出番が増えてきます。ガリナリの負傷を機に出場し、高確率でシュートを沈める姿勢が評価されたようです。個人的にはディフェンスでの貢献も非常に高い選手だと思っていてウォリアーズとのシリーズでもカリーを何度も封じていました。彼に求められるのはシューターとしての積極性。せっかくできた出番も2月、強敵の出現によって奪われてしまいます。
1月12日、クリッパーズで一時代を築いた男、ブレイクグリフィンが移籍後初めてクリッパーズのホームアリーナに戻ってきました。感動の帰還、となるかと思いきやグリフィン側はやはりチームに裏切られたという感情を捨てていない模様。グリフィンはシュート練習時にクリッパーズのオーナー、スティーブバルマー氏に握手を求められますが、ダッシュでロッカーへ戻りそれを回避。「生涯クリッパーズ」と言われ契約をしたグリフィンにとって、あのトレードは相当ショックだったんですね。私自身もショックでしたし、私がもしグリフィンだったらジェリーウェストを殴っているかも(グリフィンのパンチには聞き覚えが…)。試合はグリフィンの44点の前に敗北。これを皮切りに怒涛の5連敗を期してしまいます。
1月にはガリナリの負傷離脱もありました。毎年怪我に悩まされているガリナリですが今シーズンは比較的怪我の少なかったシーズンでした。しかし、背中の痛みで離脱した際は、今年もそうなのかと心配してしまいました。ガリナリはハリスの活躍の陰に隠れていましたが得点、リバウンド共にキャリアハイの数字。すでにチームの核となっており、彼が長期離脱していてはチームとしても苦しい。それでもベンチの層が厚く出場時間の管理が出来たことが怪我の少なさにつながり、最小限の離脱に抑えられました。
次回は激しく動いたトレードデッドライン、そして突如現れた救世主について扱います。プレーオフまで語るかもしれません。今回もお読みいただきありがとうございました。それでは、さよなら!
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